小学生でラグビースクール・タグラグビー部に所属しているが、進学先の地元の学校にラグビー部が無い、ラグビーチームが無いと困っておられる選手・保護者に向けた記事になります。
小学生から中学生でもラグビーを続ける場合の2つの方法!
京都では現在、中体連とジュニアスクールに分かれており、ラグビースクールが盛んな兵庫県などとは違い、中学校の部活動に入部して活動する子供達がほとんどです。しかし、部活動の地域移行が進みだした2023年度からは、ジュニアスクールの立ち上げが急速に進み、主たるチームを「ジュニアスクール」、副チームを自身が通う「中学校」とし、活動チームを2つにする子供達も増えてきている様です。以下は2023年8月の現状報告となります。
中学校(中体連)のラグビー部に所属する
京都の進路先として一般的なのは自身が通う中学校に所属するという方法です。
2023年に行われた「春季大会」では参加校19校(16チーム)の参加となりました。単独チームとしては、【Aシード】①藤森 ②洛南 【Bシード】③四条 ④修学院 【Cシード】⑤伏見、⑥音羽、⑦観修、⑧凌風 【ノーシード校】⑨上京 ⑩嘉楽 ⑪七条 ⑫下鴨 ⑬長岡第二 ⑭西京極 ⑮合同A(神川・西陵)⑯合同B(亀岡・西院・向島秀蓮)となっており、少子化とともに、10年~20年前より減ってきた印象です。
ここで問題になるのが、自身が住んでいる地域の学校(通学区域)にしか行けないという事です。大阪の一部では「学校選択制」などもあり、通学区域外への入学も可能ですが、京都ではそれが基本的には許可されません。
しかし、今でも各地域で横行しているのは、秘密の越境通学です。これは正直推奨は出来ませんが、私としては否定する事もしません。(ラグビーが大好きで強いチームでやりたい、力を入れている指導者のもとでラグビーを続けたい・続けさせたいという思いは、子供達にも、保護者様にも必ずあるはずだと思っています。)
又、秘密の越境通学は先生側(指導者)も認知している事がほとんどなのですが、京都市教育委員会では一切認められておらず、もし先生側が「うちにおいで」と斡旋した様な事が発覚すれば、その先生は職を失います。ですから、かなりディープな内容となりますので、通学区域外の学校に入学させたいとお考えの保護者様は先生側にはあまり相談されない事をお勧めします。もし相談される様な場合は、こっそり相談するようにして下さい。
越境通学の方法
①通いたい学校の通学区域に住居を借りる。(最もリスクが低い方法)
現在、お住まいのご自宅とは別に、アパートなどを借りる方法です。借りたアパートに保護者(母)と、通われるお子様の住民票を当該住所に移す事で成立します。このような場合、ほとんどはアパートを借りているだけで、実際には現在お住まいのご自宅から通うことになります。但し、お子様が平日の練習を終えて、そこから、お迎えに上がる保護者や、土日の活動後に、同チームの友達などと遊ぶ場合などは、わざわざ遠い家に帰る必要も無く、その借りた自宅で待機してもらったり、部活動の荷物はそこに一旦、置いて私服に着替えたり出来るので、便利ですね。
②通いたい学校の通学区域にある知り合いの住所を借りる。
通いたい学校の通学区域に住んでいる知り合いを探し、そこに母・子の住民票を移す方法です。住民票を移す事は、その地域にある区役所などで住民票を移す為に母親が申請するだけで済みますので、住所の所有者に特段迷惑をかける事はありません。しかし、選挙用紙なども同様にそちらの住所宛てに送られますので、数カ月に1回程は、お会いできるような関係性のあるお知り合いに頼まれるのが一番良いです。
又、入学した初年度はクラスの担任にて、ご自宅への家庭訪問なども行われる事が一般的な為、表札を掲げている自宅の場合は怪しまれない様に、もう一つ別で表札を掲げる必要があります。その際、家庭訪問ですので、住所を移した住居に待機しておく必要があり、あたかも本当に住んでいるようにしないといけない為、その際は住居所有者にご迷惑をお掛けする事があります。仲の良い知り合いであれば、それぐらい問題ないかと思いますが、一切面識がない遠い知り合いになるとハードルが高いですよね。
以上、2点がディープな方法での越境通学になります。
上記①については、費用面の負担は大きくなりますが、誰にも迷惑をかけずに、越境通学が出来ます。②については、費用面の負担はかなり小さくなります(賃貸料無し)が、お知り合いに少し面倒をかけてしまいます。
私としては、仲良しなお知り合いが通学区域におられるなら、②をオススメします。
ここで上記①②についての注意点です!!
最終的に①か②を行なったとしても、実際に通われるのは本来の自宅からだと思います。自宅から通われる学校までのルートと、電車賃(交通費)をしっかり考えておいて下さい。学校側には通学区域から通う事で申請しており、住民票も移しておられるので、電車賃などの学割が一切効きません。定期を購入する際も大人と同じ待遇となります。
この交通費の負担がかなり大きくなると思いますので、注意が必要です。又、遠い場所から子供を通わすとなると、周りの地元の生徒よりも1時間も、2時間も早く起床して行く必要があります。
しっかり子供さんとご相談の上、それでも行きたい!というのであれば問題無いかと思います。
上記とは別に役所から正式に認められる方法はありますが、許可を頂くハードルが非常に高いのでオススメしません。又、ほとんどのご家庭が該当しないかと思います。
中学校の強豪校(本気で取り組みたいのであれば、オススメ!!)
京都でも毎年、上位チームに入る強豪校というのは存在しますが、ここで一つ問題があります。強豪の高等学校とは違い、中学校はあくまで中学教員が部活動の指導を行う為、基本的には6年間(特例で9年~10年の在席もあり得る)で移動される事になります。ですので、この先生に指導を受けたい!となった時は、その先生が現在赴任してから何年目になるのかのチェックが必要です。入学したものの、1年生の段階で指導者が変わったというのも、よく聞きます。
その中で、指導する教員に出来るだけ左右されない為には、小学生ラグビーチームの主たる活動場所がどこの中学区域かが重要になります。基本的に、小学生からラグビーを始める子供達は、近い場所で活動しているクラブチームに通う傾向にある為、小学校を卒業し、そのまま通学区域内で進学した際は、その地域の中学校では経験者が多い学校となり、必然的に強くなります。
その代表的な学校として一つ目に上げられるのは藤森中学校です。(23年度春季大会優勝)
→藤森中学校を拠点に活動をしている小学生チームは「KIWI’S」があり、所属していた子供達のほとんどはそのまま藤森中学校に進学します。学校の生徒数も多い為、部員数もおのずと多くなり、毎年、上位に食い込んでくるチームになります。
二つ目は上京中学校。
→小学生チームとしては「プログレ」が活動しています。
その他については、洛南中学校、四条中学校、修学院中学校、観修中学校、このあたりも地域のクラブチームの卒業生達がそのまま進学する為、経験者が多い学校となります。
又、別で伏見中学校は地域に小学生ラグビーチームはないものの、現在の指導者が太陽生命カップ(全国大会)で優勝した経験もあり、毎年、指導を受けたいと思い入部される子も多々おり、強豪校の一つになります。
また上記に記載している中学校の、藤森、上京、洛南、伏見中学校については、現在の指導者が京都選抜Aチームの指導もしているスタッフ(教員)になるので、必然的に最先端のラグビーを吸収することが出来ます。又、選抜選手は毎年大会の上位チームがほとんど選ばれる傾向にあり(強いチームは活躍もしやすい)、そういった面でも将来、京都選抜を目指そうと思っていたり、ラグビーで高校進学を考えている様であれば、ぜひ参考にして下さい。
ジュニア(中学生)チームに所属する
2023年以降、部活動の地域移行が急速に進んでいく(中学校の部活動が無くなる)ため、最初からジュニアチームに所属しようと考えられる保護者さんも増えてきました。ジュニアチームに所属するメリットは、普段は地元地域の学校に通い、そのまま平日の夜、土日にジュニアチームとして活動できる事です。住所変更等、何も面倒なことが必要ありません。
中体連の部活動とは違い、いち「クラブチーム」となる為、月会費が必要となり、その部分での負担は大きくなりますが、現在京都のクラブチームは「伏見クラブ」以外は月額1,000円~2,000円と皆さんボランティアで動いておられるのがほとんどですので毎月の費用面もそこまで高くはありません。
但し、中学の部活動では授業が終わって、そのまま練習が出来て、尚且つ下校時間もある為、帰宅時間は早いのですが、クラブチームに所属すると練習開始が17時、18時とかになる為、最終の帰宅時間が20時、21時となる為、子供達にとっては少ししんどいかなとは思います。練習がある日は塾などにも行けないと思いますので、文武両道を行うにも、別途保護者さんの協力が必要不可欠です。
又、追記ですが「伏見クラブ」は月会費10,000円+さまざまな費用が掛かる様ですが、その分、土日の活動などは任せっきりでOKというのが特徴の様です。負担はかなり大きいですが、土日の遠征の昼食等も全て任せっきりに出来るみたいですので、保護者さんの体力的な負担は激減しますね。
しかし、今後、地域移行していく上で、「伏見クラブ」の様にしっかり会費を取るという事は、今後もチームを継続していくには必要かとは思います。サッカーや、水泳など、メジャースポーツというのは会費1万前後はあたり前ですよね。ラグビーだけがまだまだボランティア精神で動いてるというのが実際の所であり、本来であれば指導者も活動時間に見合った報酬をもらうべきだとは思います。
指導者もボランティアだけで一生続けていくのは、やはり資金面でもしんどいですよね。
チームについては、以下が現在協会登録されております。
①KIWI‘Sジュニア(2023年新設) ⇒藤森中学校と連携している様です。
②プログレジュニア(2023年新設) ⇒上京中学校と連携している様です。
③伏見クラブジュニア(伏見中学と関係は無い様です)、④京都アパッチ R.C.Jr、⑤オルカ R.F.C(四条中学と連携)、⑥八幡ラグビー、⑦同志社ジュニア(同志社に通学中の子供だけが対象となります)、⑧宝ヶ池ジュニア、⑨J・福知山ラグビーの9チームが活動中になります。
その他、2024年に活動を開始するチームも今後は一気に増えていく可能性もありますので、保護者さんは周りの話も聞きながら、要チェックですね。
去年、聞いた話では強豪校の伏見中学校も別でクラブチーム化をする為に動いているといった噂もあります。今後のクラブチームの新設と発展は必然となりますので、中学校の部活動に所属をお考えの保護者さんも、お子様が中学に入学してからの3年間がどうなっていくのか、しっかりとした予想が必要です。但し、ラグビーはまだまだ狭い世界ですので、ラグビーに携わる指導者や、経験者に聞くと、公表されていない色々な情報が結構取れたりします。色々な人に意見を聞き、ベストな進路先を選ばれる事をオススメします。
又、部活動の地域移行に伴い、中体連に所属するラグビー部で開催されていた大会も23年度の秋季大会から、クラブチームも参加できることになる様です。
サッカーと同様に、中学校チームは「京都サンガジュニア」のクラブチームには勝てない!という様に、格差は広がっていくのかな?と予想されます。
どちらにせよ、今後も中学校世代の子供達が楽しくラグビーが出来る環境が、より充実していけば良いなと思っています。
今後の動向にもチェックして、また記事を更新していこうと思います。
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